■総論
2代目・後継者・アトツギ(以下、アトツギという)も入社2年目3年目となると、部下あるいは後輩の教育係を任されるようになってきます。
その際、普通の上司や先輩では考えることがないだろうと思われるようなことを考えないといけません。それは、教育されるスタッフが将来、自分が社長になったときの右腕になるかもしれない可能性を考えながら教育をしなければならないということです。
その為、そのスタッフからは先代ではなく、アトツギの自分がいるからこの会社にいると言ってもらえるような関係性を作らなければなりません。
なので、アトツギにとっても大変重要な第1歩となります。アトツギは、そのことを肝に銘じてスタッフを教育する必要があります。
スタッフのスキルを磨くことと、スタッフがアトツギについていきたいと思わされることは基本的には別のやり方をしなければなりません。
スキルを教えるのは、本人のやる気や頭の良さなどもある程度必要になりますが、この人について行きたいと思わせるには、アトツギの自分の背中を見せ、アトツギが本当に本気でそのスタッフの人生や生活、家族を幸せにするんだ!という気概がないといけません。
スタッフが失敗したときは、自分に責任があると考え、一緒に失敗を取り戻すようにしなければなりませんし、スタッフが結果を出したら心の底から褒めないといけません。
しかしながら、友達になってはいけません。友達になったら、上下関係が曖昧になってしまうからです。あくまでも、アトツギの自分が社長になったときの右腕左腕になってもらうことが目的です。友達になってしまったら、右腕左腕ではなく、単なる友達であり、社長である自分と取って代わろうとしたりするかもしれません。
なので、友達になってはいけませんが、しかしながら、そのスタッフと家族を幸せにすることに心の底から考え抜いて行動しなければなりません。
そうすれば、おのずとこの人について行きたいと思ってくれるようになるでしょう。
これは長期戦ですので、焦る必要はありませんから、ゆっくりゆっくりしたたかに目的を達成させましょう。
■言って聞かせ、やってみせ、やらせてみせ、褒めてあげる
これは、連合艦隊司令長官であった山本五十六の言葉です。山本五十六長官が人を育てるときの心構えとして書き記したものです。
例えば、営業マンを育てるとします。まずは、テレアポと言うことで、テレアポを教えるとします。
まず、言って聞かせ、で、トークスプリクトなどを読み込ませ、ロールプレイングなどをやって、マニュアル通りであれば完璧!というレベルまでにします。
次に、やってみせ!で、できれば教育係の自分の会話を同時に聞かせられるようにして、自分がテレアポをやってみせます。この時にもし、アポが取れれば最高です!とれなくても、やってみせることに意義がありますので、ご心配なく。
それからやらせてみせて、ちいさな成功体験を積ませます。同時にちいさな成功体験を褒めます。
例えば、ものおじせず、スクリプトトークがちゃんとできていれば、自然にそのことを褒めます。例えば、お客様との会話が上手であれば、そのことを褒めます。
この様に、ちいさな成功体験を積み重ねていけば、やがてそれはその人の自信に繋がります。自信に繋がれば、モチベーションさえ高ければ、徐々に結果が出るようになります。
こうやって人を育て、会社のビジネスプラン達成のために貢献できる人財となっていくわけです。
■批判やネガティブな発言は厳禁
これはアトツギに限らずですが、アトツギであれば尚更のことです。なぜなら、アトツギがそれをやっちゃうと、アトツギが社長になったときに、同じ事をされるからです。
そして、批判やネガティブな発言が段々と不満分子を生まれ育てる事になってしまいます。
アトツギは、特に壁に目あり障子に耳ありでとにかく批判や嘆きや愚痴などのネガティブな発言絶対にやめましょう。アトツギが言った言霊は、必ず、その本人やグループに届き、必ず、アトツギの足を引っ張ります。
アトツギは、社内になるべく味方がいっぱいいた方がよいことは間違いありません。その為には、まずは批判や嘆きや愚痴などは絶対にやめなければ、味方にはついてはくれません。
噂というのは、必ず、尾ひれ背びれが付いて、言ってないことまでも言ったことになってしまいます。しかも、弁明しようとしても、弁明のチャンスすらないことが多いものです。
もちろん、父親母親である先代の批判も絶対にやめましょう。必ず、足を引っ張る反アトツギスタッフが生まれてしまいます。
もし、どうしても批判や嘆きや愚痴を言いたいときは、全く利害関係の無い同じ立場の友人やお風呂の中で湯船に顔を付けてお湯の中で叫ぶようにしましょう。
アトツギは、我慢我慢我慢我慢我慢我慢です。