アトツギにアンケートを取ると、経営者になる際に不安な事柄として、経営者に必要な勉強をしていない(スキルがない)という答えが多い。大学等の学校で勉強していればまだ良いが、そうじゃないと本を読んだりセミナーに参加したりする位で、本格的な体系立てて学びの機会をつくるのはなかなか難しいかもしれない。
これは体系立ててとなると何十万とお金を出して勉強する機会をつくらない限り、なかなかその機会を得ることができない。
そう考えると、座学で体系立てて勉強する機会がもしあれば、それだけでも参加する価値があると言えよう。
経験でこれらのスキルを得るとすると、かなりの失敗を繰り返さないといけない事が考えられる。アトツギの間に失敗を繰り返すのであればまだ良いが、社長になってから失敗を繰り返してしまうとスタッフにも迷惑をかけてしまう。これは良くない。
次にアトツギが学んで置くべき事は、失敗体験と成功体験だ。失敗も成功せずに、ただ単に先代の言うとおりしてればいいというのは、最初のうちだけだ。
アトツギはこっそりちょっとずつ新規事業なり既存事業の展開なりをやっていき、その失敗と成功の体験をしておく方が良い。
例えば、私の知り合いのアトツギさんで現在は社長だが、木型の会社さんがある。木型とは、マンホール等の鋳物を作るときに金属を砂型に流してマンホール等の鋳物の形をつくっていくわけだが、その砂型を作るのに木の型が必要になるわけだ。
この木型の仕事でtoBの仕事を元々はやられているわけだが、toCの世界に進出し、まずはネット通販で販売されてる会社さんがある。
元々、木型の仕事をされいるので木型→砂型→鋳物製作と少し勉強しないといけない部分はあるものの、これは取引先にでも教えて貰えば済む話だし、自分の元々のビジネスから展開する形にあるため、さほど難しい訳ではない。
また、販売をまずはネット通販に限定すれば、大きな出費が必要になるわけでもない。PR宣伝だけ考えないといけないが、こちらの会社さんは県の支援などを受けその機会を増やしたりした。
例えばの話ではあるが、こういう感じでやれば、失敗しても最小限に抑えられるし、成功すればもっと商品点数を増やしたり、宣伝にお金をかけたりすることもできるだろう。
こういう体験をアトツギは経験しておくと良い。そうすれば、なんとなく、商売ってこういう事かとコツを掴めるはずだ!その中で小さな失敗や小さな成功が体験できるというわけだ。
次に身につけて置くべき事は、人の動かし方だ。これはまずはデールカーネギーの「 人を動かす 」という本を読もう。これはかなり勉強になる。
相性というものがどうしてもあるから、必ず成功するとは限らないが、読んで損はない本だ。
この本を読んだ後、この本に書かれてあることを実践で使ってみよう!言い訳ばかりするような人にも「 盗人にも五分の理を認める 」で、対応してみよう。
そして、あなたじゃなければならない理由を考えて説明し、相手が欲している事柄(承認欲求なのか昇給なのか等)を提示して動かしてみよう。
もちらん、もう少し深く考えてやっていかなければならないが、基本原則はこの3つだ。
これができるようになるだけで、随分、人が自分の為に動いてくれるようになる。私も完璧にできてるわけではないが、実際にこれらを意識して接した場合は、思うように動いてくれる率が高くなる。
営業でも通じる部分があるだろう。
経営者になれば、必ず人を動かさなければならなくなる。自社スタッフだけでなく、取引先、顧客、株主である親や親戚など、ステークホルダー全てを動かさないといけない。
そう考えると、アトツギの間に人を動かす練習は必ずやっておくべきだ!